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2007-09-19 Wed

_ 『タイムスケープ』『スタータイド・ライジング』 [読了]

ちょっとはSF者っぽい日記にしようというわけでベンフォードとブリンを読んだ。
や、日記関係なく読んでるけど優先順位をかえて、ということで。
両方とも面白かったです、はい。

グレゴリー・ベンフォード『タイムスケープ』。
小説版『二重らせん』というふれこみがなかなか当を得てるなあという感じ。
期待と思惑にふりまわされながら、あっちへ行きこっちへ寄りしながらひとつのカタルシス(カタストロフ?)へ収束していく様は実に見事だ。
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まさにセンスオブワンダーだ。
フト思ったのだが、プリズマティカリゼーションはある意味ではやってることはこれと同じなのかもしれず。
p17nのオブジェとか荘司が木に刻んだ印とかってつまりは「過去への通信」ですよね。そうですよね(←同意を求めるのはいやがらせなのか)。いや繰り返されてるのは過去ではなく未来か?
いずれにせよまあ荘司は歴史の改変者というよりはトリックスターをもって自任してそうな奴だし、明確な意図をもって過去に干渉するという点では、p17nよりはむしろスーパースターフォースのが近いかもしれない(のか)。
『タイムスケープ』の感想じゃなくなったね。ごめんね。逝ってくるね。

デヴィッド・ブリン『スタータイド・ライジング』。いやこれはおもしろい。
前に『サンダイバー』を読んだときは話が妙な(いま考えれば別に妙ではないのだが)政治力学に終始してて、肝心の太陽に住む生物のことはどうなったのよ、と不満だったのだが、さっさとこれを読めばよかったのだな。
しかしこれはハッピーエンドなのか?\\

いろんな意味で「以下、続く」な話ではある。
物語はぜんぜん解決してないとも言えるし、あるいはエスピオナージュ小説のカーチェイス部分を抜き出して長くしたようなもの、とも言えるかもしれん。
しかしそれを含めてなお抜群におもしろいのだから、たいしたものだ。
ところで人間-チンパンジー・イルカという構図を白人-有色人種と読みかえてもなんの違和感もない、とかいう読み方は不当かしらん。
むりやり差別意識にむすびつけるわけではないが、ダート博士の描き方をみてるとなんかそういう感じが。

残る3Bはベアだが、短編集の『タンジェント』はなかなかにおれ好みの話が多くてよかったが、長編はまだ読んでない。はず。
『ブラッドミュージック』をたしか読みかけて放置してるはずだが、どこに行ったか…